2017.09.01vol.30子どもロコモ ~片足立ち・しゃがみ込みはできますか?~
ロコモティブシンドローム(以下、ロコモ)とは、骨や関節、筋肉、神経などの運動器が衰えて「立つ」「歩く」といった機能が低下し、進行すると「要介護」「寝たきり」になり、介護が必要になるリスクが高くなります。
これまでロコモは高齢者の症状として考えられてきました。しかし、近年、ゲームの普及や外遊びが少なくなったことなどにより、運動不足の子どもが増えています。体が硬い・バランスが悪い・しゃがみ込めないなど運動器機能が低下しており、「子どもロコモ予備軍」が急増し、こうした状態を放置したまま成長すると、ロコモになるリスクが非常に高くなると言われています。
その一方で、積極的に運動をしている子どもにも運動器の機能不全や痛みなどの障害があるケースも少なくありません。運動器機能が低下しているにもかかわらず、過度な運動をしてしまうとケガにつながるということもあります。
まずは、「子どもロコモ」のチェックをしてみましょう!
- 片足立ち → 左右ともに5秒以上ふらつかずに立てる
- しゃがみ込み → 踵が上がらない、後ろに転倒しない
- 肩挙上 → バランスよく180度挙がる
- 体前屈 → 膝を曲げずに指が床につく
この中で1つでもできないものがあると、何らかの運動器機能が低下している状態といえます。現在、痛みなどの問題がなくてもケガにつながることもあります。子どものうちに運動器をよい状態にしておくことで、痛みやケガの少ない生活を送ることができ、大人のロコモを予防することができます。
平成28年度より、学校でも運動器検診が行われるようになりました。検診で問題が見つかった場合だけでなく、よく転ぶ・バランスが悪い・身体が硬いなど気になることがあれば、当クリニックに来院し、医師もしくは理学療法士へご相談ください。身体の状態を把握し、必要な身体のケアを理学療法士と一緒に考えてみませんか?