2024.01.23vol.106高齢者に多い骨折とその予防
高齢者の骨折は、骨粗鬆症による骨の脆弱化が基盤にあり、比較的弱い外力で骨折を起こすことが特徴です。一度骨折を起こすと長期間の安静が必要で、「寝たきり」の原因になることもあります。また、高齢者の骨折する原因の多くは「転倒」です。
高齢者に多い骨折
- 上腕骨近位端骨折
- 橈骨遠位端骨折
- 大腿骨近位端骨折
- 脊椎圧迫骨折
骨折の予防
食事
骨の形成に関与する食物を摂ることが大切です。
骨密度の低下を予防する主な栄養素は、カルシウム、ビタミンD、ビタミンKになります。
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カルシウム
75歳以上の方のカルシウム摂取量は、男性700mg、女性600mgが推奨されています。
<カルシウムを多く含む食品>
乳製品(牛乳、チーズなど)魚介類(いわし、さんまなど)大豆製品(豆腐、納豆など)緑黄色野菜・海藻類(小松菜、チンゲン菜、ヒジキなど) - ビタミンD
ビタミンDは、カルシウムの吸収を助ける栄養素です。また、日光に当たることで皮膚からビタミンDは作られる為、散歩などで日光を浴びることも大切です。
<ビタミンDを多く含む食品>
鮭、うなぎ、さんま、まぐろ、しいたけ、きくらげ、しめじ など -
ビタミンK
ビタミンKは、カルシウムの吸収を助ける栄養素の1つです。
<ビタミンKを多く含む食品>
納豆、油揚げ、卵、ほうれん草、アスパラガス など
※一方で、アルコールやカフェインを含む加工食品は、過剰摂取を控えるべき食品です。
運動
下肢を中心に筋力訓練をおこない転倒予防に努めましょう。
住宅環境
転倒しにくい環境をつくりましょう。
定期的に骨密度の検査・治療を行う
骨密度は骨を構成するミネラル(カルシウム・リン)が骨にどのくらい詰まっているか骨の単位面積当たりの骨量として算出したもので、20歳にかけ最大量になり、40歳まで保ちますがその後減少していきます。そのため40歳代から数年に一度検査を行いましょう。
転倒リスク評価
転倒スコア
点数 | |
過去1年に転んだことがある | 5 |
歩く速度がおそくなった | 2 |
杖を使っている | 2 |
背中が丸くなってきた | 2 |
毎日薬を5種類以上飲む | 2 |
該当する項目の点数を合計し7点以上で転倒リスクが高くなる。
転倒の回数が多い・転倒スコアで7点以上ある方、自分の骨密度が気になる方は、お気軽に当院スタッフまでご相談ください。