2021.09.01vol.77これだけは知っておきたい“熱中症”
近年、残暑の厳しさが増し35℃以上の猛暑日も多くなる中、新型コロナウイルスの影響によるマスク着用も相まって、熱中症のリスクが今後も高まることが予想されます。今回は熱中症と、その対策について紹介します。
“熱中症”とは?
熱けいれんは、大量発汗で体内から水分とミネラルが不足することで起き、足や手がつったり筋肉痛やけいれんが起きる状態です。また、口元がつることで、しゃべれなくなる場合もあります。照りつける太陽の下で活動している子ども達が倒れるということがありますが、これが熱失神です。熱失神は皮膚血管の絞扼によって血圧が低下し脳血流が悪化したことにより起きます。
そして、発汗がうまくできず脱水症状(頭痛・吐気・倦怠感)が生じた状態が熱疲労です。
体温上昇によって中枢神経障害(意識障害など)が生じた状態が熱射病です。
熱中症の分類としてⅠ度・Ⅱ度・Ⅲ度に分類されます。
- Ⅰ度(熱けいれん・熱失神):体内から水分とミネラルが不足することで起きる状態
症状:めまい、失神、筋肉痛・筋硬直 - Ⅱ度(熱疲労):発汗がうまくできず脱水症状が生じた状態
症状:吐気・嘔吐、倦怠感・虚脱感 - Ⅲ度(熱射病):体温上昇によって中枢神経障害が生じた状態
症状:意識障害、痙攣、高体温、肝機能異常、腎機能障害、血液凝固障害
熱中症が疑わしい時の対処法
下図の手順のように、意識の有無などの確認を行っていき対処する。
熱中症にかからないための対策
- 体調管理
日頃から運動等で汗をかいて体温調節を行う習慣は、熱中症対策に有効です。
また、体調不良や二日酔いの時には脱水症状の可能性があり、熱中症になるリスクが高まります。きちんと食事や睡眠をとり、適度な運動をして体調管理に努めましょう。 - 水分と塩分補給
のどが渇いていなくても、作業の前後、作業中はこまめに水分と塩分を補給しましょう。
塩分(ナトリウム)と糖分を適度に含んだ水分補給が効率的で、イオン飲料や経口補水液が推奨されています。また、水分といっても缶コーヒーやウーロン茶、アルコールには、利尿作用があり、体が脱水状態になるので要注意です。
ただし、一度に体量の水を摂取すると、かえって体内の電解質バランスを崩して体調不良を引き起こすこともあるので注意しましょう。
暑くて湿気の高い日は、計画的に休憩をとり、休憩場所は、日陰や、冷たいおしぼりの用意、体を適度に冷やすことのできる涼しい環境を確保し、水分と塩分を十分補給できるように努めていきましょう。ご不明な点などありましたらお気軽に当院スタッフへご相談ください。