2026.04.09vol.131骨粗鬆症に対する運動療法 ~「ピラティスリング」を用いた体幹運動~
ピラティスリングを導入する理由
骨粗鬆症と背筋(体幹伸展筋)の筋力低下は、高齢者の円背や脊椎椎体圧迫骨折・転倒リスクを高めます。骨粗鬆症が進行すると胸椎の可動性が低下し、本来は胸椎よりも動きが少ない腰椎を過度に動かすことで腰背部痛を引き起こすことがあります。
近年、整形外科でのリハビリテーションでは身体機能・パフォーマンスの向上としてピラティスの有用性が報告されており、骨粗鬆症に対する運動療法の一環として「ピラティスリング」を導入するクリニックが増えています。
ピラティスリングとは?
「ピラティスリング」は直径40cmの弾力性のあるリング状のアイテムで、ピラティス創始者ジョセフ・ピラティス氏がワイン樽の金属リングをヒントに考案したツールです。
ピラティスリングの特徴は、円背姿勢・下肢筋力低下がある高齢者でも両側に付いているパッドを押す動作を上肢で行うことができ、体幹伸展筋(骨盤底筋群と腹横筋・多裂筋)を効率的に強化することができます。
また、ピラティスマシーンでの運動(背骨の過屈曲動作や回旋動作)では脆弱した椎体への圧迫力がかかることもありますが、「ピラティスリング」を用いた運動は、骨粗鬆症の方でも特定の椎体に過度な負担がかからず安全に行うことができます。
対象者
- 骨粗鬆症の方(脊椎椎体圧迫骨折の既往がある方も大丈夫です)
- 腰背部痛および体幹の筋力低下のある方
- 円背姿勢の方
理学療法士が実施すること
- 「ピラティスリング」を用いた運動指導
- 姿勢観察・筋力評価に基づく運動プログラム作成
期待される効果
- 円背姿勢の改善および体幹筋力の向上
- 腰背部痛の予防
両側に付いているパッドを押すことで、背骨を長く伸ばしながら動かす感覚(エロンゲーション)を促します


